※補足】ここでいう【上体起こしが出来ない】とは、足が浮かないようにするための「支え」や「土台」がないと上体起こしが出来ない、という意味です。
例えば、上のイラストのように
第三者に、足が浮かないように、足を押さえてもらったり、足をタンスやソファの隙間に引っ掛けて、足が浮かないようにすれば、上体起こしが出来る!
おそらく、このような【上体起こしの方法】であれば、大半の人たちが出来ると思います。
しかし、足が浮かないような「支え」や「重り」を外してしまうと…
上体起こしが出来なくなってしまう…
実は、このようなタイプの人たちは、秘かに…多いです。
では次いで、閲覧者さまご自身が【上体起こし】が出来るのか?テストしてみましょう!
上体起こしのテスト
【足を支える土台無しで、上体起こしが出来るのか?】のテストのやり方を説明します。
まず基本姿勢は、仰臥位(上向き姿勢)にて、膝を90度くらいに曲げ、足裏全体が床に着いた状態を作ります。
そして、基本姿勢のまま、腕を伸ばし、自分の膝頭を触るように手を伸ばしつつ、上体を起こします。
その際、自分の臍(へそ)か、膝頭を見て、頭を持ちあげてから上体を起こしていきます。
※注】足を浮かせたり、「反動」や「勢い」をつけないで上体を起こします。
テスト結果
「上体起こしが簡単に、楽々できた!」
「ちょっと難儀したけど、普通に出来る!」
という人たちは
【足の支えが無くても、上体起こしが出来る】人たちです。
そして又、「上体起こし」が簡単に、しかも楽々できる人からすると…
なんで、こんな簡単な運動「上体起こし」が出来ないの?そもそも「上体起こし」が出来ない人なんているの?と思っているかも、しれません。
しかし、実際にはいらっしゃるのです。
「上体起こし」が出来ない人々が…
そして「上体起こし」が出来ない人からすると…
「えっ!足の支え無しで、上体起こしが出来る人なんているの?」
と思っているかも?しれません。
しかし、実際問題【足の支えが無くても、上体起こしが出来る人】は、沢山おり、しかも≪多数派≫です。
そんな事実を垣間見たとき、「上体起こし」が出来ない人は…もしかしたらショックを受けるかも?しれません。
とくに運動経験者だったり、体を鍛えるのが好きな人であれば、そのショックは大きいと思います。
実は、かくいう私(院長田村)も、足の支えがないと【上体起こしが出来ない人間】だったので、その気持ちはよーく分かります。
ちなみに私(院長田村)は、中2からトレーニングを始め、体を鍛えるのが趣味でした。※今も同じです!
ですから、まさか自分が【上体起こしが出来ない】とは夢にも思っていませんでした。
また、ショックだったことは【上体起こし】が普通に出来る人の中には、まったく体を鍛えていない人や運動が嫌いだったり、運動未経験の人たちも、多く含まれていることでした。
ですから私(院長田村)は、
「体を鍛えていない人たちが普通に出来るのに、なぜトレーニングに励んでいる私が出来ないのか?」と…
悔しかったし、不思議でなりませんでした。
それ故に、私は【上体起こし】が出来るよう、シットアップ、レッグレイズ(足上げ腹筋)など、さまざまなバリエーションの腹筋運動を数多く行いました。
回数にして、数百回~千回くらい、行っていた時期もあります。
ですから、腹筋に関して言うと、謙遜していっても【標準レベルの強さ】はあったと自負しています。
しかし…
【足の支え無しで行う上体起こし】に関しては、いくら腹筋が強くなっても、一向に出来ませんでした。
更に詳細を言うと、もう少しで【上体起こし】が出来るようになる!というような「進歩」すら、全く無い状態でした。
そして、このような私の経緯を話すと~
「それなりにトレーニングに詳しい人」やスポーツトレーナー、理学療法士、療術の国家資格保持者、プロの療術家ほど…
それは
「あなたの腹筋運動のやり方が間違っているんですよッ」
「正しい腹筋運動ができていないのですよ」
「回数が多すぎて、疲れて、筋力が弱くなっているんですよ」
「背筋運動もバランスよくやるべき!」
という類の発言(説法)をするでしょう!
しかし、私は彼等の発言を見越した上で、腹筋運動に取り組んできました。
それ故に、彼等の発言は、私には【当てはまらない】ということです。
このような経緯と実践・研究・検証を含めて、私(院長田村)は、100%!絶対的に断言できることがあります。
それは【足の支え無しで、上体起こし】が出来ることと【腹筋の強さ】は、ほとんど関係ない!ということです。
なぜ【上体起こし】が出来ないのか?
【なぜ上体起こしが出来ないのか?】
最も大きな要因は、胸(胸椎)と腰(腰椎)、或いは背骨(脊柱)を丸める力が、弱いか、胸腰椎と背骨を丸める柔らかさ(柔軟性)が、足りないからです。
トレーニング業界や体育教育では、上体起こしが出来ない理由は「腹筋が弱いから!」とされていますが、それは誤りです。
胸腰椎と背骨を丸める力、或いは、胸腰椎と背骨を丸める柔軟度が足りないから【上体起こし】が出来ないのです。
腹筋について
腹筋とは腹直筋・腹斜筋・腹横筋を総称して「腹筋群」と呼称されています。
また【上体起こし】の際、中心的役割を果たす腹筋群のメインが腹直筋です。
腹直筋はイラストにあるように、下部肋骨(胸骨)から恥骨(骨盤下部)を繋げている筋肉です。
そしてこの腹直筋は、下部肋骨(胸骨)と恥骨を近づける働きを持っています。
座位にて、この動作を行うと、下のイラストのようになります。
そして仰臥位(上向き寝姿勢)にて、この動作を行うと、下のイラストのようになります。
この動作が、腹直筋を鍛える代表的なトレーニング(シットアップ)です。
このトレーニング(シットアップ)では、上体を完全に起こす必要はありません。
肩甲骨が床から少し浮く程度で充分です。
なぜなら腹筋運動は、下部肋骨(胸骨)を恥骨へ近づける動作なので、正しい知識・正しい方向・正しい角度で行うほど【上体起こし】の動作には成り得ないからです。
※補足】シットアップトレーニングにて、
肩甲骨を床から浮かすことが出来ないレベルの腹筋力の人は【腹筋が弱い】ということになります。
ですから、上体起こしが出来ない人の中で、純粋にシットアップにて
肩甲骨を床から浮かせられないレベルの人は、腹筋が弱いから上体起こしが出来ないタイプになります。
しかし…
胸椎(背骨)の動きが固く、胸椎(背骨)の可動域が乏しい人も肩甲骨が床から浮かないケースもあるので、シットアップで正確に腹筋の強弱を測れるわけではありません。
鋤のポーズ(ハラーサナ)できますか?
鋤のポーズは下イラストのように、仰臥位(上向き姿勢寝)にて足先を頭上方向へ持っていき、足先を床につけるポーズです。
鋤のポーズは基本、背骨を丸める柔軟度が低い人は、足先が床につきません。
逆に、背骨を丸める柔軟度が高い人は、足先だけでなく、膝頭を床につけることも出来ます。
おそらく鋤のポーズが簡単に出来、尚且つ、シットアップで肩甲骨が床から浮かせられる程度の腹筋力がある人は、極めて高確率で【上体起こし】が出来ると思います。
また背骨が歪んでいたり、背骨の柔軟度が低い人ほど、鋤のポーズは難しくなります。
さらに、背筋力や背骨周りの筋肉(棘筋群)が強烈に強い人も、背骨を丸める柔軟度が低く、鋤のポーズは困難となります。
腹筋と背骨を丸める柔軟度
シットアップで肩甲骨を床から浮かせられる程度の腹筋力と、背骨を丸める【背骨の柔軟度】があれば【上体起こし】は可能となります。
どちらか一つでも欠けていると、【上体起こし】は出来ません。
おそらくですが、トレーニング好きだったり、体を鍛えているのに【上体起こし】が出来ない人の、ほぼほぼ100%が、背骨を丸める柔軟度が低いために【上体起こし】が出来ないのだと思います。
また、背筋力や背骨周りの筋肉(棘筋群)が異常に強い人たちも、その中に含まれていると思います。
おそらく、こういった【タイプの人たち】は、かなり意図的に背骨を丸めるトレーニングを行わない限り【上体起こし】が出来なかったり、苦手なタイプと思います。
背骨を丸めるトレーニングについて
背骨を丸めるトレーニングの一般的な方法は、前述した【鋤のポーズ】となります。
しかし、私(院長田村)は【鋤のポーズ】を推奨しません!
例えば、背骨周りの筋肉(棘筋群)が異様に強い人や、背骨の歪みがキツイ人ほど、鋤のポーズは困難となるからです。
また、このようなタイプの人が、鋤のポーズに励めば励むほど…固い部位や歪んでいる部位を痛める要因になります。
そんな背景、実情があるため、私(院長田村)は背骨が固かったり、歪みの強い人に【鋤のポーズ】を推奨しません。
鋤のポーズを推奨する人は、【鋤のポーズ】をやって、心地よさを感じる人、つまり元々背骨の柔らかい人向けのポーズ(トレーニング)と思います。
※補足】おそらく、背骨が固い人や歪んでいる人が【鋤のポーズ】をやることによって、背骨が柔らかくなり、歪みが解消する!とお考えになる人が大半と思います。
しかし結論から言うと、この考えは、正しい側面も少しありますが、多くの場合は誤りとなります。
説明しましょう!
少しだけ背骨が固い、少しだけ背骨が歪んでいる、という程度の人であれば【鋤のポーズ】で背骨が柔らかくなり、ある程度の歪みは解消できると思います。
しかし、背骨周りの筋肉(棘筋群)が異常に強い人や、背骨の歪みがそれなりにある人(※鋤のポーズをやって背骨の特定部位に痛みが出るレベルの人)に於いては【鋤のポーズ】の成果は乏しくなります。
しかし、例外もあります。
【鋤のポーズ】が不向きな人でも、体感能力に優れ、感覚が長けている人、それでいて緻密&繊細に、体を操作コントロールできる人であれば、
つまり達人級の身体操作が出来る人であれば、【鋤のポーズ】が不向きでも、鋤のポーズの最中に、諸々の身体操作を行って、鋤のポーズで成果を上げることが出来ます。
しかし、このレベルで身体操作を行える人は極めて稀(少数派)であり、一般人では中々いないと思います。
また、整体の快医学理論に基づいても、ある運動、トレーニングを行って、体が痛かったり、不快を感じる内容であれば
【今の自分(あなた)】に合うトレーニングとは言えず、このようなトレーニングは【体に悪い】と言われています。
逆に、体で心地よさを感じる運動、トレーニングの内容であれば、その内容は【今の自分(あなた)】に合った【体に良い】、つまり成果の出るトレーニングとなります。
そんな実情背景を含め見て、【鋤のポーズ】が不向きな人は、敢えて【鋤のポーズ】を行う必要はないと、私(院長田村)は思います。
推奨する【背骨を丸めるトレーニング】
私(院長田村)が推奨する【背骨を丸めるトレーニング】の一つ目は、初心者向けです。
イラスト①のように椅子に腰かけ、足を開きます。
次いで②のように、両足の間に頭や上体を入れるよう背中(背骨)を丸めていきます。
また②の状態のまま、上体(背中、背骨)を左右、回旋(捻じり)動作などユサユサ揺らしても良いです。
※この状態を数十秒~数分継続します。
ポイントとしては、力を抜いて、リラックスして行うことです。
また当然ながら呼吸を止めずに、平素通りの呼吸のまま当トレーニングを行います。
part2
同じ要領で、床に座った状態で行う【背骨を丸めるトレーニング】です。
①のように腰かけ、膝を曲げて、足を開きます。
次いで②のように、両足の間に頭や上体を入れるよう背中(背骨)を丸めていきます。
また②の状態のまま、上体(背中、背骨)を左右、回旋(捻じり)動作などユサユサ揺らしても良いです。
※この状態を数十秒~数分継続します。
ポイントや呼吸に関しては、椅子に腰かけて行う時と同様です。
以上が初心者向けの【背骨を丸めるトレーニング】です。
上級者向けの【背骨を丸めるトレーニング】
私(院長田村)が最も推奨する【背骨を丸めるトレーニング】をご紹介します。
しかし、上級者向けのトレーニングを行うには、それなりの集中力や意識的に特定部位を意識するスキル(能力)が必要となります。
上級者向けの【背骨を丸めるトレーニング】
まずは①のイラストのように上向き姿勢(仰臥位)で寝ます。
最初は膝を曲げた姿勢を推奨しますが、慣れ次第、膝を伸ばしたままでもOKです。
次にやるべきことは、自分の背骨を意識(背骨の存在を感ずる)することです。
意識することが苦手な人は、イラストや解剖学書などを見ながら、自分の背骨を意識創造(イメージ)して、自分の背骨の存在を感じます。
自分の背骨を意識化することが出来るようになったら次の工程に移ります。
2番目の工程は、自分の背骨を一つずつ動かすことです。
一つずつ(1ブロック)動かすことが無理な場合は、複数まとめて(複数ブロック)にて動かします。
左右(傾き)・回旋(捻じり)・前後(上下)に動かせるようトレーニングします。
最初は、かなり難しいと思いますが、それ故に【上級者向け】のトレーニング内容とさせて頂きました。
背骨を一つずつ、或いは複数ブロックずつで、ある程度動かせるようになってから、次の工程に移ります。
3つ目の工程は、【背骨を丸める動作】そのものとなります。
上イラストのように、背骨を一つずつ、或いは複数ブロックごと、前方回転(※お辞儀する方向)させるよう動かします。
そして前方回転(お辞儀方向)に動かしたら、その位置のまま保持します。
時間にして、数十秒~数分行います。※長時間行ったほうが効果は高くなります。
当然ながらその最中は、呼吸を止めず、平素通りの呼吸をします。
この動作工程を頸椎・胸椎・腰椎、全ての背骨で行います。
※補足】上体起こしが出来ない大要因は、腰椎と胸椎が固い(柔軟性が乏しい)から出来ないケースが大半と思います。
それ故に、腰椎と胸椎を重点的にトレーニングすることを推奨します。
当トレーニングによって、柔軟度だけでなく、背骨を丸める力、背骨の連動力&連結力を強化することが出来ます。
最後、整体的に言うと片方だけのトレーニングは、体のバランスを崩し【良い事】ではありません。
それ故に、当トレーニングの補足運動として、背骨を一つずつ、或いは複数ブロックごと後方回転(体を反らす方向)に動かすトレーニングも予備的に行うようにして下さい。
吉田沙保里さんも上体起こしが出来ない?!
以下、news記事より抜粋
日本テレビ「シューイチ」に、現役を引退した元女子レスリング選手の吉田沙保里さんが出演
「霊長類最強」と呼ばれた吉田さんの意外な素顔に迫った。
「実は霊長類最強じゃない吉田沙保里」として番組が用意した3つの素顔
まず一つ目に挙がったのは、「腹筋ができない」だ。
周囲から「ウソだ」の声が上がるなか、吉田さんは「まったくできないわけじゃないですけど、本当に練習で一番できない」と認める。
腹筋は必要としつつ「あんまりできなくても勝てるのかなって」と、必ずしも勝利に直結するものではないと述べた。
実際に、吉田さんはスタジオで腹筋に挑戦。
掛け声を出しながら5回ほど腹筋を披露したが、両手を胸に置いた状態では一度も腹筋できず、「本当にできないです」とギブアップ。
共演者たちは笑顔になりながらも驚いた。
それほど腹筋ができずして、なぜ強いのか。
この質問に、吉田さんは「腹筋がないぶん、違うところでカバーしているかな」と回答。
タックルで持ち上げるため必要な背筋のほうが大事と答えた。
私(院長田村)は、この番組を見ていないので吉田沙保里さんが【どのような腹筋運動】をしたのか?は分かりません。
ただ文章から察するに【上体起こし】か、それに近い内容の運動と思います。
しかし常識的に考えて、吉田さん程の【超アスリート】で
尚且つ、レスリングオリンピックで何連覇もしたような人物が【腹筋が弱い!?】【腹筋が弱いから上体起こし≪腹筋運動≫が出来ない】ということは無いと思います。
おそらくですが、吉田沙保里さんも背筋群や背骨周りの筋肉(棘筋群)が異常に強いタイプなのだと思います。
それ故に、背骨を丸める柔軟度が低く、上体起こしが出来ない、或いは上体起こし系の動作が【苦手】【不得意】というのが実情と、私(院長田村)は推測します。
私(院長田村)が思うに、≪上体起こし=腹筋運動≫という認識&概念は、運動中に【水を飲んではならぬ!】という誤った概念と同じです。
もっと正しい認識、知識、検証、実践を通した概念が拡がれば、≪上体起こし=腹筋力≫という誤った概念も無くなると思います。
幸い、当webサイトをご閲覧くださった人たちは≪上体起こし=腹筋力にあらず!≫ということを認識できたと思います。
宜しければ、当ページを多くの人たちに、ご紹介して頂けるとありがたいです。
上体起こしが出来なくて、悩んでいる人たちの救いになるのでは?と秘かに期待しております。^^
たむら整体治療室 田村敏幸
たむら式鍛錬塾の鍛錬/トレーニングを学びたい人は、たむら整体治療室の整体を受療してください。
※整体の詳細は、公式ホームページにてご確認下さいませ。<m(__)m>